背中のニキビやブツブツ、チクチク繰り返す原因とは?

皮脂腺が多くニキビができやすい背中。自分では見えにくいため、ニキビに気がついた時には症状が進行していることも珍しくありません。一度治っても同じ場所に再発することが多く、繰り返すとニキビ跡として残ることもあります。背中のニキビを何度も繰り返してしまうのには、複数の理由があるものの、何より原因に応じた対応ができていないことが大きな要因です。症状に合わせた治療で、繰り返す背中ニキビを治して美しい背中を目指しましょう。

背中ニキビのブツブツやチクチク、ニキビの種類と見分け方

一口に背中ニキビと言っても、背中のブツブツのすべてが同じ種類のニキビという訳ではありません。ニキビの種類によって原因と対策が違うため、症状を見極めることが大切です。

毛穴の詰まりが原因の背中ニキビ

背中のブツブツで一番多いのが、アクネ菌が原因のいわゆるニキビです。皮脂や汚れが毛穴にたまると毛穴の内部でアクネ菌が増殖してニキビが発生します。初期段階は皮脂の詰まりが白く見える白ニキビですが、その皮脂が酸化すると黒ニキビと呼ばれる状態になります。詰まった皮脂が炎症を起こすと赤ニキビへと進行し、炎症が悪化するとニキビの中央が膿を伴う黄ニキビになります。

ニキビが治った後に残る背中ニキビのニキビ跡

炎症を起こした背中ニキビは、ニキビ跡として残ることがあります。最もよく見られるのは炎症による赤みです。軽い場合は肌のターンオーバー(新陳代謝)によって、徐々に赤みが薄くなりますが、炎症の程度がひどいと赤みが残り、炎症による刺激で過剰にメラニンを生成されると、メラニンが皮膚に残り茶色い色素沈着になります。また、炎症が深部に及ぶとしこりやクレーターのような跡が残ることもあります。

カビの一種であるマラセチア毛包炎による背中ニキビ

背中のブツブツの中で、ニキビと間違いやすいのがマラセチア毛包炎です。誰の皮膚にもいるマラセチアと呼ばれるカビ(真菌)の一種が原因で、皮脂をエサにして炎症を引き起こします。直径2~3mmで大きさの赤みのあるブツブツが特徴で、痒みを伴います。湿度が高いと菌が繁殖しやすいため、汗をかきやすい夏場に悪化します。背中や胸、肩、二の腕、お尻、陰部など、どこにでもできますが、特に皮脂が多い背中や胸にできやすい傾向があります。

ザラザラした感触の毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)による背中ニキビ

痛みもかゆみなどの自覚症状がなく、触るとザラザラしている背中のブツブツは、毛孔性苔癬の可能性があります。鳥肌のような見た目で、毛穴が小さく盛り上がり、毛穴の炎症によって赤みや茶褐色の色素沈着を生じる場合もあります。空気が乾燥する冬場に悪化しやすいのが特徴です。

背中にブツブツ、チクチクができる背中ニキビの原因

背中にできるニキビは、顔のニキビと同じような原因もありますが、背中は衣服、髪の毛、寝具などが直接触れやすい場所なので、背中ならではの原因でニキビができやすくなります。

菌の繁殖が原因で、背中ニキビやマラセチア毛包炎ができる

ニキビはアクネ菌という細菌が原因で起こります。一方、毛包炎は、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌などの細菌が繁殖することで起こります。これらの菌はもともと肌に存在している常在菌ですが、肌がこすれたり傷ついたり、高温多湿の環境や皮脂や汚れがたまったりすると、毛穴の中で細菌が増えやすくなります。菌が過剰に増えると、ニキビや毛包炎を引き起こす原因になります。さらに、悪化すると炎症を起こし、ニキビ跡として肌に残ることもあります。

蒸れや摩擦の刺激で、背中にニキビができやすくなる

背中は服や下着でいつも隠れているため、風通しが悪く、汗や熱がこもりやすい場所です。汗をかいても背中は拭きにくいため、ムレた状態が続いてしまいます。さらに、衣類や下着、カバンなどが背中にこすれると、肌に摩擦が生じて刺激となり、ニキビや毛穴の炎症(毛包炎)ができやすくなります。また、その刺激で症状が悪化してしまうこともあります。

シャンプーなどのすすぎ残しで、背中ニキビやブツブツができる

石けんやシャンプーをしっかり洗い流せていないと、背中に残った成分が皮脂と混ざって毛穴をふさぎ、ニキビの原因になります。洗浄成分が肌に残ったままだと刺激になり、バリア機能が弱まって乾燥や炎症を起こし、ニキビができやすくなります。

汗を放置すると背中ニキビやブツブツとした毛包炎ができる

ニキビの原因になるアクネ菌や、毛包炎の原因になるマラセチア菌は、暑くてジメジメした環境で増えやすい菌です。汗をかいたまま長時間過ごしたり、肌を清潔に保てていないと、毛穴に皮脂がつまって、ニキビやマラセチア毛包炎ができやすくなります。

ホルモンバランスの乱れで皮脂が過剰分泌して、背中にニキビができる

ホルモンバランスが乱れると皮脂が増加し、毛穴を詰まらせます。女性の場合は、生理前にニキビが増える経験をしたことがあるかもしれませんが、ホルモンの変化やホルモンバランスの乱れは、皮脂が過剰分泌されるためニキビの原因になります。

乾燥でバリア機能が低下し、背中にニキビやブツブツができる

保湿不足による肌の乾燥が続くと、肌のターンオーバーが乱れて古い角質が溜まり、毛穴が詰まりやすくなります。角質が毛穴に詰まるとニキビができる原因になります。

もう繰り返さない、背中のニキビやブツブツ、チクチクの予防法とセルフケアでの注意点

背中のニキビやブツブツを悪化させない、繰り返させないためには、治療することに加えて、日々の生活習慣も大切になります。

肌を清潔にして背中ニキビや背中のチクチクを予防

背中ニキビの予防には、肌を清潔に保つことが大事です。入浴時には、皮脂や汗をキレイに落とすために、しっかり泡立てた石鹸でやさしく洗いましょう。髪を洗った後に体を洗うことで、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しが防げます。寝具や肌にあたる衣服は、こまめに洗濯して素材にも注意しましょう。背中にブツブツがある人にとって、化学繊維の下着は背中がチクチクする原因になります。綿やシルクなど、肌のあたりが優しく、吸湿性に優れた素材がお勧めです。

保湿で、背中ニキビ、ブツブツのかゆみを抑える

背中がムレると、マラセチア菌が増えやすくなり、逆に乾燥していると肌のバリア機能が低下して、アクネ菌が増えやすくなるため、背中はほどよくうるおった状態を保つことが大切です。お風呂に入るときは、お湯やシャワーの温度が高すぎると肌のバリア機能が低下してしまうため、ぬるめの温度に設定するのがおすすめです。入浴後は、ボディクリームや薬用の化粧水などで毎日保湿をすると、肌の乾燥やかゆみを防ぐことができます。また、保湿することで皮脂の分泌も抑えられるため、背中ニキビの予防につながります。

背中のニキビを作らないために、食べ物で体の中からケア

背中ニキビを繰り返さないためには、体の中からのケアも必須です。ニキビの元となるのは脂質です。揚げ物やお菓子など油分や糖分の多い食品は控えめにしましょう。肌の新陳代謝をあげる赤身の肉や魚介類に含まれるビタミンB2とB6、バリア機能を維持する青魚に含まれる必須脂肪酸、肌の原料となるタンパク質など、肌に良い食品を意識しながら、栄養バランスのよい食事を心がけるとニキビ予防になります。

生活習慣を整えて背中のチクチクをやわらげる

規則正しい生活や、質の良い睡眠を心がけると、ホルモンバランスが整って、肌のターンオーバーが促進されます。ホルモンバランスが整うと、皮脂の分泌が抑えられ、テカリやベタつき、ニキビができにくくなります。肌のターンオーバーが正常になると、新陳代謝が活発になって、古い角質や余分な皮脂が自然と落ちやすくなり、毛穴が詰まりにくくなり、ニキビもできにくくなります。

症状に合った薬で背のニキビのケア

ニキビやマラセチア毛包炎は、菌が原因で起こる皮膚トラブルのため、原因となる菌に合った薬を使えば改善が期待できます。これらの薬は市販でも手に入りますが、ニキビの場合、症状に合わせた適切な薬を選ぶことが大切です。また、マラセチア毛包炎とニキビは見た目がとてもよく似ているため、間違った薬を使ってしまうと、かえって悪化することもあります。自己判断で薬を選ばずに、皮膚科などの専門の医師に診てもらうようにしましょう。

背中のニキビやブツブツ、チクチクを美容医療で治療する

背中のニキビやブツブツは何度も繰り返すと跡が残ってしまい、治すのが難しくなってきます。正しい診断と早めに治療を始めることが大切です。当院では、背中のニキビの症状に合わせた治療方法や、セルフケアだけでは改善しにくい赤みや黒ずみなどの色素沈着のニキビ跡の治療メニューもご用意しています。背中ニキビは様々な原因が関係していることがあるため、「背中ニキビコンビネーション治療」がお勧めです。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

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