
体形や体重には関係なく、太っていないのにお腹に線がついてしまう──そんなお悩みを抱えている人は意外に多くいます。その「お腹のシワ」は“猫背線”と言われています。単なるシワではなく、日々の姿勢や生活習慣と深い関係があります。この記事では、お腹の猫背線の原因や、ストレッチやトレーニング、スキンケア、食事、生活習慣での改善について解説します。
猫背線って何?どうしてできるの?
「猫背線」とは、長時間の猫背姿勢が原因でできるお腹の横ジワです。最初は赤みがかった線ですが、長く放置しているとメラニン色素が定着し、茶色くくすんできます。
腹筋の働きが鈍くなるとできるお腹の横ジワ
通常、腹筋は体の軸を安定させたり、内臓を正しい位置に保ったりする役割を担っています。しかし、猫背の姿勢になると背中が丸まり、体が前に傾いてしまうため、腹筋がうまく働かなくなります。お腹をコルセットのように内側から引き締めるインナーマッスル(腹横筋など)も機能しにくくなり、体幹の安定性が失われがちです。
上半身の重みが前にかかることで、お腹にシワが寄りやすくなります。この状態が続くことで皮膚に横ジワのクセがつき、「猫背線」として定着していきます。
皮膚が重なってお腹の横ジワになる
猫背で体が前かがみになると、お腹の皮膚は内側に寄って重なり合います。座っている時間や猫背でいる時間が長くなるほど、その重なりが続き、皮膚への圧力も強くかかります。腹筋が衰えて皮膚がたるんでいると、さらに重なりやすくなります。
衣類にシワがつくように、皮膚も長時間同じ姿勢で圧迫されることで「折り目」がつきやすくなります。「折り目」が繰り返されることで、お腹の横ジワ(猫背線)が定着してしまいます。
痩せていても猫背線できる理由
猫背線は、痩せている人にも見られます。体形に関わらず猫背の姿勢が続くと、腹筋がうまく機能せず、お腹の皮膚が圧迫されるためです。ただし、太っている人の場合、皮下脂肪がさらにたるんで重なるため、シワが目立ちやすくなります。
猫背線の原因とお腹シワの関係
猫背線(お腹の横ジワ)の原因は「皮膚のたるみ」だけではありません。日常生活の姿勢や習慣、筋肉の使い方、皮膚の構造などが様々な要因が関係しています。
猫背による姿勢の崩れ
もっとも大きな原因は「猫背」です。普段から座っている時間が長い人や、スマホ・パソコンを前かがみで見る習慣がある人は、背中が丸まり、前かがみになると、自然とお腹が縮こまり、皮膚が折れ曲がります。この状態が長時間続くと、皮膚に“クセ”のように線がつき、定着してしまいます。
腹筋や背筋など体幹の筋力不足
体幹の筋力、特に腹筋や背筋が弱くなると、姿勢をまっすぐ保つのが難しくなり、前かがみの姿勢になりやすくなります。姿勢の崩れによって、お腹にシワが寄りやすくなります。反対に、腹筋や背筋がしっかりしていると、皮膚や皮下脂肪を内側から支える力が働き、たるみにくくなります。筋力が低下すると、皮膚にハリがなくなり、たるみやすくなるため、猫背線(お腹の横ジワ)が目立つ原因になります。
皮膚の乾燥や加齢によるハリの低下
皮膚のハリや弾力は、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった成分によって保たれています。加齢や紫外線、乾燥などの影響で少しずつ減っていくと、ハリを失った皮膚はたるみやすくなり、一度できたシワが元に戻りにくくなります。
特に乾燥肌の人や、保湿を怠っている人は、肌にハリがなくシワが残りやすくなり、猫背線もくっきり目立ちやすくなります。
皮下脂肪の蓄積や急激なダイエットの影響
「ダイエット後の皮膚のたるみ」で悩む人は、意外に多くいます。
お腹に脂肪がつくと、皮膚は脂肪に合わせて伸びようとします。伸びた皮膚やたるんでしまった皮膚が自然に戻ることはありません。伸びた皮膚は元に戻りにくくなり、皮膚が垂れて線ができやすくなります。急激に痩せた場合も、痩せた部位の伸びた皮膚が戻らずに余って、横ジワができてしまいます。
お腹のシワや猫背線を消すための対策
お腹のシワや猫背線を解消するためには、姿勢の改善が大事です。猫背の状態を改善するために背筋を伸ばすストレッチと背筋を鍛えるトレーニングの組み合わせがお勧めです。
まずは、壁から少し離れた場所に立ち、両手を壁につけた状態で顔を天井に向けてゆっくりと体を反らします。自然な呼吸のまま20秒キープします。また、背筋を鍛えるうつ伏せのトレーニングも効果的です。床やベッドにうつ伏せになり、背中の筋肉を使って上半身を5秒持ち上げて戻す、という動きを10回ほど繰り返します。
このストレッチとトレーニングで背中が鍛えられ、背筋が伸びる姿勢が身につき、猫背の改善が期待できます。
タンパク質や水分をしっかり摂る食生活と軽い運動でお腹シワ改善
お腹の横ジワ、「猫背線」の改善には、体の内側と外側からのケアが大切です。
健康な筋肉とハリのある皮膚を作るには、バランスの取れた食事が重要です。特に、筋肉の材料となるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)はしっかり摂りましょう。美肌のためにはコラーゲンの合成に欠かせないビタミンCや、皮膚の水分を保つ助けとなる保湿成分を含む食材も、内側から潤いをサポートするために意識して取り入れてみてください。
毎日の習慣として、肩甲骨周りを柔らかくしておくと良いでしょう。肩甲骨がほぐれると背筋にゆとりが生まれ、お腹が圧迫されにくくなり、猫背線の予防につながります。また、適度な運動も大切です。軽いジョギングやウォーキングは、脂肪燃焼を促すだけでなく、姿勢の改善にも役立ちます。
保湿と美白ケアでお腹の皮膚のターンオーバーを正常化
猫背線は皮膚のたるみだけでなく、皮膚の新陳代謝も関係しています。週に数回、保湿クリームでお腹をマッサージするようにケアをするだけでも、肌のターンオーバーが活性化して、血行促進や老廃物の排出を促す効果が期待できます。
すでに色素沈着して濃い横ジワになっている場合は「トラネキサム酸配合美白化粧品」「ビタミンC誘導体入り美白化粧品」をお風呂上がりに取り入れることで、メラニンの生成を抑えながらターンオーバーを促進させます。
猫背改善でお腹の横ジワをすっきり
お腹の横ジワである「猫背線」は、普段の姿勢を意識するだけでかなり和らげることができます。パソコンの作業中は時々背筋を伸ばして深呼吸し、椅子には浅く座って背もたれに寄りかかりすぎないようにすることで、お腹への圧迫は減ります。また、モニターの位置を目線の高さに合わせる工夫や、電車内ではスマホを少し高く持ち、視線を上げることも猫背を治す手助けになります。
美容医療で猫背線やお腹の横ジワを解消
猫背線やお腹の横ジワを完全にセルフケアだけで消すのは難しいですが、日常のお手入れとして保湿やUVケアを行うことで、シワの進行を予防することができます。さらに、猫背や姿勢の悪さの改善、食生活や運動など、適切な対策を取ることで目立たなくなる可能性があります。
セルフケアで限界を感じている場合や、見た目の変化を早く実感したい場合には、美容クリニックでの治療がお勧めです。ただし、猫背線やお腹の横ジワの場合、根本原因である猫背姿勢の改善を合わせて行うことが、治療効果の維持や再発予防のために重要です。
お腹の横ジワ・猫背線を解消する関連施術
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この記事の監修医師
銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士
銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら