
ヒアルロン酸注入といえば小ジワやほうれい線などのシワ取り注射というイメージですが、最近では鼻を高くしたり、目の下に涙袋をつくったり、アゴの形を整えたりする外科的な手術の代替法としても一般的になりつつあります。
特に平坦だったり、凹んでいたり、ゴツゴツしているおでこ(額)に丸みを出し、若々しい印象をつくる施術が人気を集めていますが、注入方法や医師の技術によっては、おでこにしこりや不自然な凹凸が生じてボコボコになってしまうことも。
このコラムでは、これらのリスクとその回避策について詳しく解説します。
おでこのヒアルロン酸注入とは
おでこのヒアルロン酸注入とは、柔らかく粘度のあるヒアルロン酸をおでこ(額)に注入して丸みを出したり、凹んだ部分のボリュームを補ったりすることで、顔全体のバランスを改善して若々しい印象の見た目に整えたり、小顔に見せたりする美容施術です。
若々しい印象になるおでこのヒアルロン酸注入のメリット
若い方に多いのが、おでこに丸みを出したい・キレイな形をつくりたいという要望です。ヒアルロン酸は肌にボリュームを与えてふっくらとさせることができるため、柔らかく明るい印象を演出できます。横顔のラインも整い、小顔効果も期待できます。
30代、40代以降になると、加齢とともにおでこの骨が痩せたり、皮下脂肪が減少したり、筋肉が衰えたり、横ジワができたり、凹みが浮き出てきたりする場合があり、老けた印象を改善するエイジングケアとして、おでこのヒアルロン酸注入を受けるケースが多数を占めます。おでこがボリュームアップしてシワや凹みが浅くなり、若々しい印象を目指すことができるほか、加齢で下がってきたまぶたに対しても目の開きが良くなるという機能の改善も期待できます。
失敗するかも?おでこのヒアルロン酸注入のデメリット
一番のデメリットは、不自然な仕上がりになることです。ヒアルロン酸を過剰に注入してしまい、まるで魚の「コブダイ」のようにおでこが出過ぎてしまう場合や、ボコボコとした仕上がりになる場合があります。
また、注入する位置や注入量によっては、まぶたが重くなり目が開きにくくなるという副作用もあります。
さらに、ヒアルロン酸製剤の種類にもよりますが、短いものでは数カ月〜半年程度で体内に吸収されて元に戻ってしまうこともあり、持続期間の短さに不満を感じる方もいらっしゃいます。
他の施術と比べて人気が高いおでこのヒアルロン酸注入
おでこに丸みを出したり、おでこの形を整える美容医療には、いくつかの種類があります。
手術による外科的な治療でおでこを丸くする
おでこの整形術として、ハイドロキシアパタイトなどの骨に近い素材でできた骨セメントや、プロテーゼなどを皮下に挿入する手術があります。
長期間効果を維持できますが、皮膚を剥離して骨セメントやプロテーゼなどを挿入するため、体の負担が大きく、術後に額の動きが不自然に見えるといったリスクもあります。
ヒアルロン酸以外の注入治療でおでこを丸くする
ヒアルロン酸以外の注入法に、ご自身の体から採取した脂肪細胞を注入する施術があります。ヒアルロン酸注入より長い持続効果が期待できますが、注入した脂肪の生着率は人によって異なり、吸収されることも多いほか、凹凸ができやすいというリスクがあります。さらに施術費用が高額になりがちで、ヒアルロン酸注入に比べて費用面の負担が大きいというデメリットあります。
また、ご自身の血液から採取したPRP(多血小板血漿)を注入するクリニックもあります。
再生医療によるエイジングケア治療で、こちらもヒアルロン酸注入より長い持続効果が期待できます。
上記の治療法と比べて持続期間は短いものの、手軽でダウンタイムが短く、すぐに効果を実感できるため人気なのがヒアルロン酸注入です。
ただし、おでこは顔の他の部位と比較して皮下脂肪や筋肉が少なく皮膚が薄い部位であるため、「ボコボコになった」「膨らみすぎた」などのトラブルも起こりやすくなっています。
おでこのヒアルロン酸注入でボコボコになる理由は?
ヒアルロン酸注入でおでこがボコボコになってしまう理由には、複合的な要因があります。
注入直後のむくみやなじみ不足は失敗?
注射の刺激による腫れや炎症、むくみなどが原因で多少の凹凸感が出る場合があります。また、ヒアルロン酸が周囲の組織と馴染むまで、少しボコボコしている状態が続くケースもあります。
おでこに注入した皮膚の層が浅い
おでこの皮膚の厚さは薄く、皮下の脂肪などの組織も少ないため、浅い層や骨膜上に多量のヒアルロン酸を注入すると、他の部位より凸凹が目立ちやすくなります。さらに、おでこや眉の筋肉は一日中よく動くため、筋肉の動きによっては注入したヒアルロン酸がボコボコと表れて目立つこともあります。
医師の注入技術不足でおでこがボコボコになる
注入量が多い、皮膚の薄い部位に偏って注入してしまうなど、施術する医師の技術によって不自然な仕上がりになることがあります。特に注入する皮膚の層が重要なポイントで、浅すぎる層に入れてしまうとボコボコになってしまいます。
またヒアルロン酸を1ヶ所に多く注入してしまい、他の部位に均一に分散できてないときにもボコボコになることがあります。
おでこの注入する際は、均一に注入できるかどうかが重要で、医師の技術が伴ってない場合にはきれいに仕上がりません。
おでこに合ってないヒアルロン酸製剤の選択
ヒアルロン酸製剤は種類が多く、固さや粘度の異なるさまざまな製剤の中から症状や仕上がりに適した製剤を選ぶことが重要です。皮膚の浅い層に硬いヒアルロン酸を注入するとボコボコになってしまうため、医師の判断力が問われます。
ボコボコになったおでこは治らない?
ヒアルロン酸注入でおでこがボコボコになってしまった場合には、以下のような対処法で治ることがあります。
ヒアルロン酸が馴染むのを待つ
注入したてのヒアルロン酸が周囲の組織と馴染んでいない場合は、1〜2週間程度様子を見ると良いでしょう。体内への吸収が進んでボコボコが次第に緩和されていきます。この間に強いマッサージをするとヒアルロン酸が移動してさらにボコボコになる可能性があるため、避けるようにしてください。
ヒアルロン酸溶解(分解)注射で溶かす
いつまでもボコボコがなくならない場合やしこりになった場合には、ヒアルロン酸溶解酵素を注入して溶かす方法もありますが、細かなコントロールが難しく、溶けきらない場合もあります。
平らにするためヒアルロン酸を追加注入をする
医師の技量不足による注入ムラでボコボコになった場合は、凹んでいる部位に少量のヒアルロン酸を追加注入し、平らに修正することができます。
しこりをステロイド剤を使用する・手術で除去する
注入したヒアルロン酸がしこりになって消えない場合には、ステロイド剤を使用して症状を改善することができます。
最終手段として、皮膚を切開してしこりを除去するという選択もあります。
ボコボコにならないCPC-PRP®もおすすめ
極端なボリュームを出したくない、おでこの肌のエイジングケアもしたいという方には、当院の「CPC-PRP®」もおすすめです。ご自身の血液由来の成長因子の作用によって肌の再生機能を活性化し、自然な肌のふくらみやエイジング効果ができる再生医療です。
当院では、院内に設置した細胞培養センター(CPC)で培養した高濃度のPRP(自己多血小板血漿)を使用しています。即効性はありませんが、ヒアルロン酸注入より長い効果の持続と自然なエイジングケア効果が期待できます。
ヒアルロン酸注入による、おでこのボコボコを防ぐには?
ヒアルロン酸注入でおでこがボコボコになってしまった…とならないためには、クリニックと医師選びが重要です。
ヒアルロン酸注入の技術力のある医師のいるクリニックや、アフターフォローをきちんと行っているクリニックで施術を受けることで、リスクを回避できます。
当院では、ヒアルロン酸注入治療をこれまで多く経験している医師が在籍しており、注入技術を磨く医師のための研修も行っています。
銀座よしえクリニックのヒアルロン酸注入のこだわり
当院の注入技術を磨く教育システム
厚生労働省に認可されたヒアルロン製剤を製造・販売している米国のアラガン社では、ドクター研修やセミナーを開催していますが、皆が同じように技術を習得できるわけではありません。編み物に例えると、こんな風に編みますよと教えられても、マニュアル通りの素晴らしい作品を見ても、上手な人もいればそうでない人もいます。
最終的には勉強した結果で技術が違ってくるため、銀座よしえクリニックでは医師の教育に重点を置いています。プロトコル・マニュアルを定め、勉強会を行いながら技術の向上に努めています。
また、医師だけでなくスタッフもマンツーマンで一緒に研修を受けるため、クリニック全体でヒアルロン酸の性質を深く理解し、トラブルが起こらないよう安全に努めています。
製造国の認証を受けたヒアルロン酸製剤を使用
大切なお顔に入れるヒアルロン酸ですので、信頼性の高い高品質の製剤のみを使用します。当院では、日本の厚生労働省から承認されたアラガン社のヒアルロン酸と、米国食品医薬品局(FDA)承認のテオシアル社のヒアルロン酸の純正品をご用意しています。
不自然な仕上がりにしないために入れすぎを防ぐ
ヒアルロン酸注入に馴れた患者さんは、注入後の顔を見慣れてしまい、もっと入れたいとなりがちです。ヒアルロン酸の入れすぎでパンパンになるのを防ぐためには、患者さんの納得も重要になってきます。
当院では施術前に写真を撮影し、注入後はどれくらい改善したのか、写真をご覧に入れます。その際に入れすぎのリスクを説明して、不自然な仕上がりになるのを防ぎます。
美しく自然な仕上がりと、リスクの少ない施術
当院の理念は自然で美しい仕上がりにこだわった「ナチュラルビューティー」です。
さらに安全性にもこだわり、注入時には痛みと肌ダメージの少ない、針先が丸くなった鈍針を使用します。通常の針と比べてむくみや炎症、内出血のリスクを下げることができます。
ヒアルロン酸注入などエイジングケア治療の関連施術
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この記事の監修医師
銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士
銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら