
目の下は血行不良によるクマ、乾燥などによる小ジワ、筋肉の衰えや骨の萎縮などが原因のたるみやくぼみなど、加齢による衰えや肌トラブルが表れやすい部位です。
そのようなお悩みには、目の下にヒアルロン酸を注入する治療が適していますが、注入後にボコボコになったり、皮膚が青白く透けるチンダル現象が現れたりするトラブルが起こる可能性もあります。
失敗を避けて、安全かつ自然な仕上がりになるように、トラブルを回避するポイントを詳しく解説します。
目の下(くぼみ)のヒアルロン酸注入とは
目の下のヒアルロン酸注入とは、目の下に柔らかいヒアルロン酸を注入することで、皮膚に潤いと弾力を与えて小ジワやクマを目立ちにくくしたり、くぼみや凹みを埋めて皮膚をフラットに整えたり、たるみ部分の影をなくしてたるんだ印象を和らげる美容施術です。
短時間の施術で注入直後から効果を感じることができます。ダウンタイムも短く、手軽に顔の印象を変えることが可能です。
目の下のヒアルロン酸注入はどんなお悩みを改善する?
目の下・目の周辺の小ジワ・ちりめんジワが気になる
肌表面にできる細かなシワは、乾燥や保水機能の衰えによって角質から水分が失われることが主な原因です。特に目の下を含む目の周辺は皮膚が薄いため、シワができやすい部位です。ヒアルロン酸を細かく注入すると、乾燥を予防できて保湿力が向上し、シワを浅くすることができます。
目の下のふくらみ・たるみによる黒クマ(影クマ)が目立ってきた
加齢によって目の周りの筋肉が衰えて、眼球の重さを支えきれなくなり、重力により眼球が下垂して目の下にある脂肪(眼窩脂肪)を前方に押し出します。これにより目の下が膨らんだ状態となり、ふくらみ(涙袋)が発生します。
また、加齢や乾燥、紫外線ダメージによりヒアルロン酸やコラーゲンなどの弾力成分が減少すると肌のハリや弾力が失われて、皮膚のたるみも発生します。
ふくらみや皮膚のたるみの下にできたくぼみ(凹み)の影がクマのようにみえる状態は、黒クマ(影クマ)と呼ばれます。
このくぼんだ部分にヒアルロン酸を注入して皮膚を平らな状態にすることで、クマを目立たなくすることができます。
目の下のくぼみ・凹みが気になる
目の周辺の骨が痩せることで眼球が収まる眼窩がひろがり、周辺の皮膚や皮下組織が下垂してくぼみや凹みが表れます。ヒアルロン酸を凹んだ部分に注入して埋めることで、フラットな肌に整えることができます。
その他にも下まぶたにヒアルロン酸を注入して涙袋を形成し、可愛らしい印象の目元をつくる施術なども行われています。
目の下のヒアルロン酸注入の失敗とその原因
目の下のヒアルロン酸注入は、さまざまなお悩みの解消に役立つ一方で、失敗する場合もあります。
膨らみすぎで不自然な仕上がり
ヒアルロン酸を定期的に注入している方に多いのが、注入後の状態を見慣れて物足りなく感じてしまい、「もっと入れてハリを出したい」と、注入をくり返すことで膨らみすぎて、いわゆる「ヒアル顔」になってしまうことです。
また目の下の皮膚は薄いため、ヒアルロン酸を多く注入してしまうことで膨らみすぎて不自然な顔になるケースや、皮膚の浅い層に注入してしまい、膨らみがより目立ってしまうケースもあります。
ヒアルロン酸には、粘度の低いサラサラした製剤から、しっかりと皮下で形を作れる硬い製剤まで、さまざまな種類があります。皮膚の薄い目の下には、柔らかく肌なじみの良い製剤が適していますが、不適切な種類を選ぶと膨らみ過ぎなどの不自然な仕上がりになることがあります。
ヒアルロン酸注入後にボコボコになる
ヒアルロン酸を均一に注入できずに偏って注入すると、凹凸のある仕上がりになる場合があります。また注入するヒアルロン酸が硬い場合、皮膚と馴染みにくいため、ボコボコと形が浮き出てしまう可能性があります。
適切な皮膚の層に注入されていない場合にも、ヒアルロン酸が表皮近くに浮き出てしまい、ボコボコに見えることがあります。
ヒアルロン酸がしこりになる
体がヒアルロン酸を異物と認識し、ヒアルロン酸の周囲に膜を作り出してしこりになる場合があります。また誤った深さの層にヒアルロン酸を注入することで、しこりになるケースもあります。
注入したヒアルロン酸は自然に吸収される場合がほとんどですが、特に硬いヒアルロン酸はしこりになりやすく、ヒアルロン酸溶解注射で溶かしたり、溶けきらない場合は手術で除去するなどの治療が必要になります。
目の下が青白く透けるチンダル現象
チンダル現象とは、透明なヒアルロン酸に当たった光が散乱して青くなる現象です。
目の下は皮膚が薄いため光を通しやすく、多量のヒアルロン酸を注入すると注入部位の皮膚が膨らんで青白く見えることがあります。また皮膚表面は光に近いため、皮膚の浅い層に注入すると光が散乱してチンダル現象が発生しやすくなります。
注入テクニックも重要です。1カ所にヒアルロン酸が偏ってしまうとその部位に光があたりチンダル現象が起こりやすくなるため、均一に注入することが大切です。
医師の技術・経験・知識不足による失敗
上記のようなトラブルは、医師の知識や技術、経験などの不足から起こります。解剖学を熟知した医師が適切な製剤を正しい層に適量注入することで、トラブルを回避できる可能性が高くなります。
普段から技術研修を行っているクリニックや、ヒアルロン酸注入の経験を多く積んだ医師がいるクリニックなどを選ぶと安心です。
また、極めてまれなケースですが、ヒアルロン酸が誤って血管に入り、血流が遮断されて視力障害や失明に至る場合があります。施術後に急に視力が低下した、目が痛むなどの症状が出た場合は、すぐにクリニックに連絡して適切な処置を受けましょう。
目の下のヒアルロン酸注入で失敗したときの対処法は?
膨らみすぎた、ボコボコになった、しこりになってしまった、など仕上がりに失敗したと感じる際には、いくつかの対処法があります。
ヒアルロン酸は注入直後の膨らみが一番大きく、徐々に分解されて体内に吸収されていきます。ほとんどの場合、1〜2週間程度で膨らみやボコボコが自然に馴染んで目立たなくなります。
ボコボコがいつまでも残っている、馴染むまで待たずに早くなくしたい、あるいはヒアルロン酸がしこりになってしまった、という場合には、ヒアルロン酸溶解酵素を注入して溶かす「ヒアルロン酸分解注射(溶解注射)」という施術があります。注入すると数日で大部分のヒアルロン酸は分解されますが、細かなコントロールが難しく、溶けきらずに残ることもあります。
どのような種類のヒアルロン酸をどれくらい、どこに注入したかを把握できない他院修正の場合は、溶解のリスクがあるため当院をはじめ導入していないクリニックもあります。
また、凹凸のへこんでいる部分に少量のヒアルロン酸を追加で注入して、平らに修正することもできます。
ボコボコにならずに目の下のトラブルを改善する方法はある?
切らずに目の下のクマ、たるみ、くぼみを改善する治療
当院では、メスを使わずに目の下のたるみや小ジワを治療する施術を取りそろえています。目の周り専用のカートリッジを使用して小ジワや目の下のたるみを改善するハイフ治療や、マイクロニードルからRF波の熱を照射して目の下のたるみを引き締める治療(モフィウス8)、水光注射でベビーコラーゲン(Ⅲ型コラーゲン)を注入して目の下に自然なハリを与える治療、高周波によって目の下のたるみを引き上げる治療など、負担が少なく高い効果が期待できます。
自分の力を引き出して目の下のクマや小ジワを改善に導く再生医療
目の下のクマや小ジワにはCPC-PRP®(高濃度プレミアムPRP)もおすすめです。ご自身の血液から抽出した多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)を注入することで、細胞を活性化して肌の機能を再生し、ハリと弾力のある若々しい目もとに導きます。
当院では、ヒアルロン酸注入などである程度の土台が整った後には、自分の力を引き出していく再生医療をご案内しています。
目の下のヒアルロン酸注入の失敗を防ぐには
ヒアルロン酸注入による失敗を避けるためには、適した種類のヒアルロン酸を適切な量を注入できる技術力と、解剖学の知識を持つ医師を選ぶことがとても大切です。
安易に多量の注入を勧めたりせず、どのような形が自然で美しいのかという客観的なアドバイスを患者さんにできるクリニックで施術を受けると、過剰な「ヒアル顔」も予防できます。
銀座よしえクリニックの目の下のヒアルロン酸注入がおすすめの理由
当院の総院長・廣瀬医師は、アラガン社の初代注入指導医として深い知識と技術、多数の注入経験を有しています。さらには、定期的な研修を医師とスタッフにも行い、プロトコル・マニュアルを定めて、常に注入技術の向上に努めています。
当院のヒアルロン酸注入は、その人らしい自然な美しさを引き出すことを基本にしており、施術前の写真をご覧に入れながら細やかに注入量をコントロールして、過剰な注入にならないように仕上げます。
製造国の認証を受けた高品質な純正品の製剤のみを使用し、安全面にも配慮しています。
この記事の監修医師
銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士
銀座よしえクリニック 総院長
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