「PRP療法」は安全?効果がある? 医師が疑問にお答えします!

顔のシワやたるみ、目の下のクマなどを治療するPRP療法とは、患者様の血液中に存在する皮膚再生を促すPRP(Platelet Rich Plasma)を抽出し、肌の衰えた部位に注射で注入するもので、「PRP皮膚再生療法」とも呼ばれています。
当院でも、CPC-PRP®(高濃度プレミアムPRP)という施術名で治療を提供しています。
今回はこのPRP療法についての基本的な施術内容から、一部で心配されている治療の危険性や、効果がない?といった疑問についても解説します。

PRP療法の基礎知識

PRP療法は、2008年の日本形成外科学会などで美容的な効果が発表されて以来、全国に広まったとされています。
その後、PRPを濃縮する技術や手法などが進化し、現在でも人気のエイジングケア治療として多くのクリニックで施術が行われています。

そもそもPRP療法とは?

PRPとは、ヒトの血液に含まれる多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)のことを指します。
血小板には、組織のダメージや傷に集まって成長因子を放出し、組織を修復する働きがあり、そのメカニズムを応用したものがPRP療法です。
濃縮した血小板を加齢で気になる部位に、血小板から成長因子が放出されて線維芽細胞の働きを助け、その結果コラーゲンエラスチンなどが増加し、肌の老化が緩和されます。
注入治療であるため、腫れや内出血などのダウンタイムがありますが、大体数日〜一週間前後でおさまります。

PRP療法は、シワやたるみ、目の下のクマ、小ジワなどに効果がある?

PRP療法は成長因子を注入し、自分の肌細胞の働きを良くする治療です。皮膚がよれているようなちりめんジワをはじめ、顔や首のシワや小ジワ、たるみマリオネットライン、ゴルゴ線、額・アゴ・目の上の凹み、目の下のクマくすみ、手の甲のシワなど、肌弾力の低下が原因の症状にはPRP療法が適応します。肌全体がみずみずしくなりハリ感や弾力が出て、ナチュラルに仕上がります。
一方、同じシワ治療として人気のヒアルロン酸注入は、ほうれい線などの局所的にへこんだ部位に注入し、即効的に補う治療です。例えば、ほうれい線やマリオネットライン、こめかみ等のくぼみであれば、ヒアルロン酸を入れて即効的に持ち上げていくほうが早く効果が現れます。

もう一つの肌の再生医療「線維芽細胞治療」との違いは?

当院で行っている「線維芽細胞治療」も再生医療のひとつです。患者様から採取した線維芽細胞を培養し、活性化(元気のいい状態)して注入します。そうすることで線維芽細胞の数が増え、コラーゲンやヒアルロン酸などの生成量も増加します。
PRPと線維芽細胞治療の違いを野球に例えると、高齢の選手が多く動きが鈍いチームに、チアリーダーを投入して応援すると、選手達は元気を出して「さあ頑張るぞ」となります。PRPはこのチアリーダーのような栄養剤です。
逆に、若い優秀な野球選手がチームに加わると、当然チームは強くなります。この若い選手が線維芽細胞です。

再生治療(PRP療法、線維芽細胞治療など)とリジュランの違い

PRP療法・線維芽細胞治療やリジュランは共に線維芽細胞を活性化し、コラーゲンの産生を促し、お肌にハリや弾力を与える効果が期待できます。

PRP療法はご自分の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を使用し、線維芽細胞治療はご自分から採取した細胞を培養し、活性化して注入します。これら再生医療はそれぞれご自身から採った物のため、人体にとって異物を入れない治療といえます。また、注入後も皮膚再生効果が持続します。

一方、リジュランはサケのDNAより抽出された分子(PN=ポリヌクレオチド)で生成された薬剤を使用します。これは薬剤の一時的な効果でハリや潤いを与えたりする治療です。

厚生労働省が定めるPRPの扱いについて

日本は再生医療の法整備が進んでいる国のひとつです。再生医療に関する法律があり、リスクに応じて第一種・第二種・第三種と分類されています。
第一種はリスクが最も高く、ES細胞やiPS細胞と呼ばれる万能に近い「多能性幹細胞」を使用しますが、今まだ研究の分野でしか扱えません。
臨床応用に使えるものが、第二種と第三種の一部になります。第二種は原則的に細胞の培養過程があるもので、線維芽細胞や脂肪幹細胞、歯髄など生きている細胞を利用します。第三種は培養が必要ないものです。PRPは血液を加工しますが、培養は行わないため第三種に分類されます。

PRP療法の失敗や危険性について

PRP療法は効果なし?

PRP療法は効果ない、という体験談がインターネット上で散見されます。これはおそらく、患者様が期待する結果とPRP療法の効果が最初からかみ合っていなかったのではないかと推測されます。
例えばシワをすぐになくしたい場合は、ボトックス注射やヒアルロン酸注入のほうが適応です。PRPの効果はゆっくりと自然に現れてくるため、患者様のニーズと異なっていたということが考えられます。

PRP療法は危険?フィブラストスプレー(bFGF)の添加とは?

PRP療法が失敗したと感じるケースの多くは、人工的な成長因子(遺伝子組換えヒト線維芽細胞成長因子、bFGF)の添加によるものです。
これは「フィブラストスプレー®」という名前の製剤を添加する手法です。フィブラストには難治性の潰瘍や床ずれ(褥瘡)などの傷を再生させる治療に用います。フィブラストは自然の成長因子より格段にパワーが高いため、添加量のコントロールが難しく、皮膚内で過剰に細胞が増殖するリスクがあり、肉芽腫やしこり、膨らみすぎなどができるトラブルが多く散見されます。できてしまったしこりや肉芽腫は切除や分解が難しく、長い期間成長し続けます。
そのためPRPにフィブラストを添加すると、皮膚内の組織に過剰な反応を起こし、しこりや凸凹、膨らみすぎなどのトラブルや副作用を起こすだけでなく、組織再生にも悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。

失敗やリスクを防ぐには

まずは、医師自身がPRP療法をきちんと理解しているクリニックを選ぶことが大切です。
どういった種類のシワを治療したいのか、すぐに解消したいのかなどの要望が、きちんと医師に伝わっているかを確認してください。シワの治療はPRP療法だけではないため、医師がニーズに合った治療をきちんと提供することで、「効果がなかった」と感じる患者様を減らすことにつながります。
成長因子(bFGF)の添加については、リスクがあることをきちんと理解して、医師とのコミュニケーションを図ることが重要になってきます。

当院のPRP療法ではPRPの成分が細胞の遺伝子に働きかけて自然にFGFを生成する

当院では安全性に配慮して人工の成長因子は使用せず、患者様ご本人の成長因子のみを使用したPRP療法「CPC-PRP®」を行っています。「CPC-PRP®」とは、院内に設置した専用のラボで作成される、超高濃度のPRPです。
また、「PRPとPRP-C(無細胞PRP)が皮膚の老化治療に及ぼす影響を比較実験」の論文において、1,340人の患者に無細胞PRPサイトカイン(PRP-C)療法と通常のPRP療法を施し、比較検討した結果、新たにPRP-Cに含まれるサイトカインが上皮細胞や線維芽細胞に対して、FGF-2遺伝子(線維芽細胞成長因子)の発現を誘導することが確認されました。つまり、PRP-Cは皮膚細胞の遺伝子に働きかけて自然なFGFの生成を誘導することが可能となります。フィブラストを添加したような過剰な成長因子の暴走を起こしません。

診察では、経験を積んだ医師が患者様のシワの状態を診察し、症状に適した治療法の提案を行います。ヒアルロン酸注入などの他の施術が適した場合には、PRP療法をおすすめすることはありません。
当院では、しこりや凸凹、膨らみすぎの原因となるフィブラスト(bFGF)は添加しておりません。

銀座よしえクリニックのCPC-PRP®(高濃度プレミアムPRP)について

銀座よしえクリニックのCPC-PRP®(高濃度プレミアムPRP)

当院ではPRPを作成するにあたり、専用のラボ 「CPC(細胞プロセッシングセンター)」を都立大院の院内に設置しています。安全なクリーンルームの中で、人工の成長因子を使用しない高濃度のPRPを作成します。
通常の遠心分離機を使用するだけの作成方法とは異なり、低重力加速による遠心と高速遠心を2回行う「ダブルスピン手法」で不純物を徹底的に除去し、81%※ものPRPを採取します。また、使用する血液は通常の6倍と、CPC-PRP®自体も高濃度であるため、人工的な成長因子を添加せずとも、高い修復力と長い効果持続期間が期待できます。
さらに、これまでの症例経験から得られた知識をもとに、が効果を発揮できる適切な皮膚内の層に、適切な量を注入します。
※当院調べ

CPC-PRP®を使用した他の治療

【ヴァンパイアフェイシャル】

ダーマペンと呼ばれる先端にマイクロ針の付いたマシンで肌に微細な穴を空け、その穴にPRPを入れて肌の再生を促す治療です。
もともとダーマペン治療は、空けた穴を自然に修復することで肌質の改善を目指すものですが、成長因子を含むPRPを塗布することによって肌の修復力を相乗的に高めます。
毛穴の開きやにきび跡、クレーターなどの肌の凹凸の修復はもちろん、コラーゲンやエラスチンの生成が促されるため、しわやたるみの改善、ハリの向上、肌質改善などが期待できます。
「こんなに効いた施術今までなかった」との感想も寄せられる、当院でも人気の施術です。

【CPC毛髪再生プラス(CPC+セルブースターヘアー)】

毛髪再生治療の一種で、頭皮にCPC-PRP®を注射器などで注入し、発毛を促す治療です。
「Cellbooster®HAIR (セルブースターヘアー)」というヒアルロン酸・ビタミン・アミノ酸・が含まれたカクテルに、ご本人のCPC-PRP®を加えて注入します。
効果に男女差がなく、薄毛の改善が期待できます。


PRP療法に関するよくある質問

PRP療法の効果は何年くらい持ちますか?
当院のCPC-PRP®は個人差がありますが、効果の持続期間は1~2年です。治療の効果を維持するために1年に1回程度継続して治療されることをお勧めします。
PRP療法は何回くらいすれば効果を実感できますか?
当院のCPC-PRP®は1回でも効果を実感できますが、部位や症状によっては複数回の治療をお勧めしております。
PRP療法はほうれい線に効果がありますか?
PRPには「顔の肌組織全体の細胞増殖を促し」間接的に顔のシワを目立たなくさせる特徴がありますが、ほうれい線だけをピンポイントで解消する治療にはあまり効果が期待できません。ほうれい線の解消にはヒアルロン酸注入、医療ハイフ、糸リフトがお勧めです。
PRP療法の美容効果は何ですか?
当院のCPC-PRP®の美容効果は「目の下のくぼみやクマの解消」「肌のハリ、弾力、小じわ、たるみ毛穴、シワ、ニキビ跡、クレーター肌、首や手の甲のシワの改善」「薄毛の改善」などがあります。
PRP療法は危険ですか?
PRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者さんの血液から抽出した多血小板血漿を使用しているのでアレルギーの心配はありません。また当院では、再生医療等安全確保法のもと厚生労働省へ提出済みのCPC(細胞加工施設)で作成される超高濃度のPRPを使用しているので、ウィルス感染等の危険性がない施術と言えます。
PRP療法に副作用はありますか?
PRP療法は患者さん自身の血液から抽出した多血小板血漿を注入する治療のため、重篤な副作用はありません。ただし、注入直後は注射した部位に、凸凹が生じたり、針痕が残る事がありますが、殆ど2~3日程度で目立たなくなります。また内出血、腫れ、発赤、疼痛、かゆみ、変色、および圧痛などが現れることがあります。これらの症状は自然に消えていくので様子を見るようにしましょう。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

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