
帯状毛穴とは
「帯状毛穴」とは毛穴と毛穴がつながったことで、見た目がシワのような縦長に伸びて影を作り出すため、老けた印象を与えてしまう毛穴の状態です。表情を動かすと目立ちやすく、症状が悪化するとシワが深くなり、無表情の時でも刻まれたように残ってしまうことがあります。悪化を食い止めるために、帯状毛穴ができる原因や対処法を知っておきましょう。
毛穴と毛穴がつながる帯状毛穴の原因とは
皮膚のたるみ
帯状毛穴の主な原因は、皮膚のたるみです。加齢や紫外線などの影響で真皮のコラーゲンが減少すると、肌の弾力が低下してたるみが現れます。そのたるみに毛穴が引っ張られて、毛穴同士がつながった帯状毛穴になってしまうのです。
乾燥
肌が乾燥している人も、帯状毛穴ができやすくなります。肌の水分量が低下すると、表皮が収縮して小ジワが発生します。そのシワが毛穴同士をつなげることで、帯状毛穴になってしまうのです。
過剰な皮脂分泌
意外なことに、過剰な皮脂分泌も帯状毛穴の原因になります。これは、皮脂の分泌が活発だと、毛穴が開いて目立ちやすいため。ぽっかりと開いた毛穴同士がつながることで、帯状毛穴を作り出してしまいます。ただし、皮脂を落とすために肌を過度に洗うと、今度は乾燥で症状が悪化することがあるため注意が必要です。
開き毛穴と帯状毛穴の違い
帯状毛穴とよく似ている「開き毛穴」は、過剰な皮脂が毛穴に詰まって円形に開いて見える毛穴です。指で頬を持ち上げたときに毛穴が消えるなら「たるみ毛穴」、変化がないなら開き毛穴の可能性があります。
帯状毛穴の原因は生活習慣の乱れ
帯状毛穴の原因には、加齢だけでなく、表情筋の衰え、紫外線ダメージ、乾燥、栄養バランスの乱れ、睡眠不足やストレスなどの生活習慣の乱れがあります。紫外線は真皮へダメージを蓄積し、コラーゲン・エラスチンを減らす光老化の要因になります。睡眠不足はターンオーバーを乱し、栄養バランスの乱れは肌の再生力低下につながり、帯状毛穴ができやすい肌になってしまいます。
自分でできる帯状毛穴のセルフケア方法
帯状毛穴には「外側からのケア」と「内側からの生活習慣改善」、そして「医療的な治療」でアプローチする方法があります。
正しいスキンケアと保湿ケアでトラブルを防ぐ
肌の乾燥は、帯状毛穴の大敵です。日頃から保湿重視のスキンケアをおこない、肌の乾燥を防ぎましょう。洗顔で皮脂を落としすぎると乾燥して余計に悪化するため、やさしく洗い保湿をしっかり行う習慣が大切です。
皮脂分泌が活発な方も、保湿を怠っていると肌の内部が乾くインナードライになり、皮脂がかえって多く分泌されることがあります。たとえ脂性肌でも、洗顔後やお風呂上がりには化粧水や乳液などできちんと保湿することをおすすめします。
スキンケア製品は保湿成分にヒアルロン酸、セラミド、スクワランなどが配合されたものが望ましく、さらにコラーゲンの生成を促すビタミンA(レチノール)、ビタミンC誘導体、AHAといった成分を含む製品では、肌のハリやターンオーバーを促進する効果も期待できます。
紫外線対策で肌のダメージ・老化を防ぐ
紫外線は肌の奥深くにまでダメージを与えて、コラーゲンを減少させます。朝のスキンケア後には日焼け止めをきちんと塗って、ダメージを蓄積しないようにしましょう。肌を老化させる紫外線は窓を通り抜けるので、室内でもUVケアを忘れないことが大切です。日差しの強い屋外では、日傘や帽子、サングラスを併用することをおすすめします。
睡眠で肌の修復を助ける
帯状毛穴の改善には、睡眠時の肌再生を活かすことが大切です。深い眠り(ノンレム睡眠)の間に成長ホルモンが分泌され、肌の修復や再生が進みます。十分な睡眠はストレスホルモンであるコルチゾールの増加を抑えて炎症や肌荒れを防ぎ、さらに睡眠中に分泌されるメラトニンの抗酸化作用が紫外線やストレスによるダメージから肌を守ります。
質の高い睡眠を確保することでターンオーバーが促進され、乾燥やくすみ、肌荒れを防ぎ、うるおいとハリのある健やかな肌を育むことができます。
食事で内側から肌を整える
細胞の酸化は老化の原因になります。酸化を抑えるビタミンA、C、Eを積極的に補給して、毛穴の広がりや帯状毛穴を防ぐようにしましょう。ナッツやアボカドなどのビタミンE食品は肌の酸化を防ぎ、若々しい肌を維持するのに役立ちます。コラーゲン生成を助ける栄養を意識的に摂ることも重要です。ビタミンCを含むフルーツや野菜は毎日取り入れましょう。赤ピーマンやブロッコリーは効率的な食材です。たんぱく質も肌の材料になるため、魚、大豆、鶏肉などをバランスよく食べると効果的です。
水分補給と生活習慣の見直しも肌には重要
水分不足は肌の乾燥を招き、毛穴が目立ちやすくなります。カフェインやアルコールに頼らず、水やお茶でこまめに潤いを補給しましょう。お酒や喫煙は毛穴の開きや老化を進める大きな要因なので、できる範囲で減らすことがセルフケアになります。
ストレスを和らげる習慣を取り入れて肌を改善する
慢性的なストレスはホルモンバランスを崩し、肌荒れや老化を促進します。深呼吸、短時間の瞑想、軽い運動や趣味の時間を日常に取り入れることで自律神経を整え、睡眠の質も改善します。仕事や生活リズムを見直し、できる範囲で負担を減らす工夫が肌の改善につながります。
ビタミンA、C、Eを積極的に補給して細胞の老化を防ぐ
帯状毛穴を防ぐためには、体の内側からのエイジングケアも必要です。細胞の酸化は老化の原因になりますから、酸化を抑えるビタミンA、C、Eを積極的に補給しましょう。特にビタミンCは、コラーゲンの生成にも深く関係しています。コラーゲンの材料となるタンパク質を、ビタミンCが豊富な野菜や果物と一緒に食べると効果的です。
たるみ毛穴・帯状毛穴のよくある疑問
- 帯状毛穴は何歳からできますか?
- 30代以降になると真皮中のコラーゲンやエラスチンが徐々に減り、皮膚の弾力と厚みが失われます。真皮が薄くなると毛穴周囲を支える力が弱まり、毛穴どうしがつながって線状に見える「帯状毛穴」が出やすくなります。これに紫外線(光老化)が加わるとコラーゲン分解が促進されて進行が進むことで、たるみ毛穴、帯状毛穴が目立つようになります。
- 帯状毛穴とたるみ毛穴の違いについて教えてください。
- たるみ毛穴は、加齢や紫外線ダメージ、真皮のコラーゲンやエラスチンの減少によって肌のハリが失われることで生じる毛穴の変化です。もともと丸かった毛穴が、肌の弾力不足や重力の影響を受けて縦方向に引っ張られ、涙型や楕円形に見えるのが特徴です。
帯状毛穴は、たるみ毛穴がさらに進行した状態です。涙型・楕円形に開いた毛穴同士がつながって線のように見えるのが特徴です。肌表面に溝のような影をつくり、ファンデーションで隠しても凹凸が強調されてしまい、老けた印象を与えやすくなります。 - 一度、開いた毛穴は元に戻りますか?
- 皮脂や角栓による一時的に毛穴が開いている場合は、適切なケアを続けることで毛穴を目立たなくすることは可能です。たるみ毛穴や帯状毛穴になっている場合は、真皮のコラーゲンやエラスチンが減り、皮膚の支えが弱くなって“構造的”に開いています。セルフケアだけでの改善は難しい場合があるため、美容医療による症状に合わせた治療がお勧めです。
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この記事の監修医師
銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士
銀座よしえクリニック 総院長
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