
首の長さに対する感じ方は人それぞれですが、首の骨の数は基本的には7つと決まっており、骨の大きさ自体にもそう大きな差がないことがわかっています。なぜ、すらっとして長く見える人がいる一方で、太く短い印象の首元の人がいるのでしょうか。首は、二重アゴなどの顔のたるみや、肩の肉の盛り上がりがあると太く短く見えます。この記事では、首が太くたるんで見える日々の習慣と対策に加え、自分では難しい首元や二重アゴ、フェイスラインをすっきりさせる治療について紹介します。
首に肉がついている人の特徴
鍛えていないのに首が太く見える場合、その原因には筋肉ではなく、顔やアゴ周りの皮膚や筋肉のたるみや姿勢の悪さがあります。また、太ったことでアゴ下や首まわりに脂肪がたまると二重アゴになり、首に段差ができて不自然な見た目になることもあります。
首や首の後ろに肉(脂肪)がつく原因
顔がたるむとフェイスラインがもたつき、首が太く見える
顔のたるみは、加齢の他にも、体重の増減、顔の筋力の低下、皮膚の衰えや弾力の低下、むくみなど、さまざまな理由から起こります。顔がたるんでフェイスラインがぼやけると、首との境目が曖昧になるため、首が太く短く見えます。また、首回りは顔に比べて皮膚が薄いため、シワやたるみが生じやすい部位です。皮下脂肪が垂れ下がると、顔だけでなく首もたるみや脂肪が目立つようになります。
二重アゴが原因で首と境が曖昧になり、首が太く見える
「気づいたらアゴの下がたるんでいる」「アゴから首に肉がついている」と感じる方は少なくありません。二重アゴはアゴの下に脂肪がたまることで、顔と首の境目が曖昧になるため、首が太く見える原因になります。シャープなアゴのラインがあれば、顔と首の輪郭がはっきり分かれますが、二重アゴになるとアゴ下の脂肪が首にかぶさるような形になり、境界線がぼやけてしまいます。さらに、首自体にも脂肪が多くついている場合は、その脂肪がアゴ下までつながり、二重アゴが目立つだけでなく、首全体がどっしりと太く見えるようになります。特に加齢や姿勢の悪さ、筋力の低下などが加重なると、アゴや首まわりに脂肪がつきやすくなり、見た目の印象を大きく左右します。
猫背やストレートネックが首の後ろや肩周りの肉の原因になる
本来、首は横から見るとゆるやかなカーブを描いていますが、長時間のパソコンやスマートフォンの使用で首を前に突き出す姿勢が続くと、首の自然なカーブが失われてストレートネックになりやすくなります。猫背やストレートネックになると首まわりの筋肉に大きな負担がかかって硬くなり、首が太く見える原因になることがあります。さらに、筋肉の緊張によって首から肩にかけての血行が悪くなり、老廃物や余分な水分がたまりやすくなるため、顔のたるみや二重アゴ、むくみを引き起こし、首がより太く見えてしまうことがあります。
むくみは、首や肩に脂肪がついたように見える原因
首や鎖骨、腋窩はリンパ節が多い場所です。姿勢の悪さやストレス、長時間のデスクワークなどで首周りの血行やリンパの流れが滞ると、水分や老廃物が蓄積され、首周辺がむくんだり、肩こりや首のこりが生じたりします。また、塩分や水分の取りすぎもむくみの原因です。
むくみは脂肪ではありませんが、水分や老廃物が細胞の間に一時的に溜まることで、脂肪がついたように太く見えます。
首コリ・肩コリが首に肉がつく原因
首や肩のコリには、ストレートネックだけでなく、姿勢の悪さ、運動不足、精神的ストレス、冷えなど、さまざまな要因が関係しています。中でも、首から肩にかけて広がる僧帽筋や、肩甲骨周りの筋肉を使わないと、姿勢が悪くなり、首や肩の筋肉に負担が大きくなり、筋肉が緊張しやすくなって、首や肩のコリが慢性化するようになります。
慢性的な首コリや肩コリが続くと、筋肉が固くこわばり、周囲の血流が悪くなって代謝も低下します。血行不良になると、体内の老廃物や余分な水分がスムーズに排出されにくくなり、むくみが生じやすくなるだけでなく、脂肪もつきやすい状態になります。特に首や肩周りは、血流の滞りによって、ふくらんで見えたり太く見えたりすることがあります。
食習慣の乱れと運動不足が、顔や首に余分な脂肪がつく原因
油分や脂身の多い食品を食べ過ぎたり、運動不足の生活が続いたりすると、肥満の原因になります。脂肪が過剰に蓄積されると、腕や脚、お腹やお尻だけでなく、顔まわりにも脂肪がついてしまいます。特に、頬やアゴ、フェイスライン、首まわりには皮下脂肪が目立って増えやすく、首が太く見えるだけでなく、顔のたるみや二重アゴの原因にもなります。
首を細くするにはどうしたらいい? 首や首の後ろの肉を落として、首痩せしたい。
顔のたるみ、二重アゴ解消で、首も痩せるかも?
顔のたるみや二重アゴを解消することで、首が細く見える可能性はあります。まず、毎日のスキンケアがとても大切です。特に洗顔後は肌の水分が失われやすく、乾燥が進むと肌のハリや弾力が低下し、たるみが目立ちやすくなります。乾燥を防ぐためには、ヒアルロン酸やレチノール、ビタミンCなど、保湿力とエイジングケア効果のある成分を含む化粧品で肌をしっかりと保湿しましょう。紫外線はたるみの原因となるため、日焼け止めや日傘による紫外線対策も必須です。
また、たるみや二重アゴに関係している顔の筋肉である表情筋を動かすことも大切です。口を閉じたまま、口の中で舌を大きく右回りと左回りにそれぞれ回す「舌回し」は二重アゴ予防やむくみの軽減になります。
首を痩せさせる方法で、大事なのは日頃の姿勢改善
首を細く見せるためには「猫背」や「ストレートネック」といった姿勢を改善することが重要です。正しい姿勢を保つためには、横から見て耳・肩・背骨が一直線になるよう意識し、骨盤をまっすぐ立てて前傾しないようにすることがポイントです。また、パソコンやスマートフォンを見る際は顔を前に突き出さず、画面を目線の高さに合わせることでストレートネックの予防につながります。さらに、肩に力が入りやすい人は深呼吸をしながら肩の力を抜くことを心がけ、長時間のデスクワーク中はこまめに立ち上がって軽いストレッチや歩行を取り入れることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげるようにしましょう。姿勢改善を続けることで、首まわりのむくみやたるみを軽減させることを目指せます。
首の肉を落とすために生活習慣の見直し
肥満は顔のたるみや二重アゴ、首の太さの原因になります。40代以降はホルモンバランスが崩れたり、基礎代謝が低下するため、これまでと同じ生活でも脂肪が溜まりやすくなります。体質の変化に合わせて、バランスの取れた食生活と運動習慣を意識することが大切です。食事は、規則正しい時間に主食・主菜・副菜を揃えることを心がけ、間食は控えめにしましょう。運動はウォーキングなど、気軽に続けられるものがお勧めです。
また、水分が不足すると代謝が落ち、脂肪が燃焼されにくくなるので、1日に1.5リットル目安にこまめな水分補給を心がけましょう。体を温めて血行を促進することもむくみやたるみ予防につながります。
このような生活習慣の見直しは、肥満防止だけでなく、顔のたるみやむくみ予防にも役立ちます。
首後ろの肉、肩周りの肉を落とすための筋トレやストレッチ
首の後ろや肩周りの余分な肉を引き締めることで、首はスラリと長く見えます。そのためには、首から肩、背中あたりに広がっている僧帽筋や肩甲骨周りの筋トレやストレッチが有効です。
ただし、首周辺はデリケートな場所です。間違った筋トレは首に負担がかかりますので、どの筋肉に効いているのか確認しながら、無理のない範囲で行いましょう。
首の血流を改善してむくみとコリをほぐすマッサージ
首を細く見せるには、首周りの緊張をほぐし、むくみと血流を改善するとよいでしょう。
入浴中や入浴後など、血行が良い時に、耳の下から鎖骨に向かって手で数回、優しくリンパを流します。次に耳の下から肩先に向かって同様に繰り返します。
僧帽筋のコリは、肩から首にかけて手のひらで圧迫しながらさすり、最後に首の付け根を円を描くように軽く押すことで、刺激を与えられます。ただし、首は多くの神経が通る上、皮膚が薄いデリケートな場所です。やりすぎや強いマッサージは逆効果になるため注意が必要です。
顔痩せ、首痩せダイエットは、現実的にはかなり難しい。気になる二重アゴや首の肉を、スッキリさせたいなら美容医療がお勧め
首周りの肉に関するさまざまなセルフケアを紹介しましたが、ついてしまった首周りの肉を落とすのは簡単ではありません。顔のたるみや二重アゴ、首周りをスッキリさせるには美容医療で改善するのがお勧めです。当院では、顔のたるみや二重アゴ、フェイスラインや首をスッキリさせる複数の治療をご用意しています。
この記事の監修医師
銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士
銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら