意外と気になる脇のシワと脇のハミ肉のたるみ

脇は皮膚が伸び縮みするため、腕を下ろしている時は気がつきませんが、もともと薄い溝のようなものがあります。それが加齢や乾燥、摩擦によってシワが深くなったり、黒ずんだり、色素沈着したり目立つようになることがあります。また、タンクトップやノースリーブ、下着からはみ出したりする気になる脇のハミ肉が原因でできる脇肉のたるみとシワ。
「脇のシワ」「脇肉のたるみ」は、意外と見過ごしがちですが「なんだかワキに線が……」「いつの間に脇にシワが?」「脇のハミ肉がシワに見える」と気になる場所です。

「脇のシワ」「脇肉のたるみ」は、どうしてできるの?

脇のシワや脇のたるみの原因は、一つだけではなく、さまざまな要因が重なり合って起こります。

黒ずんで見える脇のシワは加齢による皮膚の変化

年齢を重ねると、皮膚のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンが減少していきます。脇の下の皮膚はとても薄く、顔などに比べて元々たるみやすい構造になっているため、年齢による影響が出やすい部位でもあります。また、加齢により皮脂分泌や水分保持力が低下するとバリア機能が低下し、肌が乾燥しやすくなり、シワができやすくなります。

摩擦や刺激によるダメージで脇が黒ずみシワになる

脇は衣類の擦れや摩擦などの刺激を受けやすい部位です。きつめの衣類や下着での圧迫、バッグやリュックのストラップによる擦れ、運動中の摩擦は脇の皮膚を傷つけ、皮膚にダメージを与え、肌のバリア機能が低下し、シワができやすくなります。
さらに脇のハミ肉がこすれることで皮膚に刺激が加わり、色素沈着とともにシワが目立ちやすくなる場合もあります。

自己処理による影響(カミソリや毛抜きなど)で脇にシワができる

カミソリや毛抜きでの脇のムダ毛の自己処理は、皮膚に細かい傷をつける原因になります。慢性的な炎症になって、皮膚が硬くなったり、毛穴が詰まりブツブツした状態になったりすると、色素沈着(シミ)やシワがより目立ちやすくなります。

肌の乾燥とターンオーバーの乱れで脇のシワが目立つ

肌が乾燥していると角質層が厚くなり、肌にハリがなくなります。脇は汗をかきやすいですが、保湿ケアを怠りやすいため、乾燥しやすい状態が続くとシワができやすくなります。また、肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れると、古い角質が蓄積し、肌表面のキメが乱れてシワが目立ってくるようになります。

ホルモンバランスの乱れが脇のシワ、黒ずみが濃くなる

加齢や更年期、妊娠、出産、ストレスや睡眠不足などによって女性ホルモンの一つであるエストロゲンが減少すると、肌の保水力が低下して乾燥しやすくなり、コラーゲンの生成力も衰えてハリが失われ、シワが定着しやすくなります。
また、ホルモンバランスの乱れがターンオーバーの乱れを引き起こし、古い角質が残ると、皮膚がごわついたり、黒ずみや色素沈着(シミ)が目立つようになったりします。

色素沈着や黒ずみがシワを目立たせる

脇にできるシワが、黒ずみや色素沈着によって目立ちやすくなる場合も少なくありません。刺激による皮膚の炎症やムダ毛の自己処理、摩擦などによってメラニンが過剰に生成され、色素沈着すると、溝になっている部分がさらに黒っぽく見えて「シワが濃くなった」と感じるようになります。

ブラや服による圧迫が脇のたるみジワになる

サイズの合っていない下着やタイトな洋服を着ていると、脇の脂肪が押し出されて脇のハミ肉がシワのようになってしまうことがあります。
ブラジャーはバストを正しい位置にキープするために欠かせないアイテムですが、サイズが合っていないとバストが脇へ流れやすくなり、「脇のハミ肉」として定着してしまい、たるみジワのように見えてしまいます。

皮下脂肪の蓄積によるたるみがワキ肉になる

加齢や運動不足、不規則な生活習慣が続くと、筋肉量が減って基礎代謝が低下し、脂肪がつきやすい体質になってしまいます。普段あまり使われない脇まわりは、脂肪が蓄積しやすく、いわゆる“ハミ肉”ができやすい部位です。代謝の低下によりリンパの流れも滞りやすくなるため、老廃物や水分がたまり、むくみやすくなることも、脇のボリューム感を強調してしまう一因となります。

猫背や巻き肩の姿勢の悪さがワキ肉の原因になる

猫背は背中が丸まり、肩が前に出て頭も前に突き出しやすい姿勢です。巻き肩は肩が内側に入り込むようにねじれ、胸が狭くなっている状態です。姿勢の悪さは脇肉がつきやすい原因の一つです。脇のハミ肉が直接シワの原因となるわけではありませんが、脂肪によるたるみが皮膚のハリを失わせ、たるみジワになる可能性があります。

自分でできる「脇のシワとたるみ対策」

自分でできる脇のシワとたるみ対策には、毎日のちょっとしたケアと生活習慣の見直しがとても大切です。

脇の下の保湿ケアを習慣にする

脇の皮膚は顔と同じように繊細で汗腺が多く蒸れやすいのに、乾燥もしやすいデリケートゾーンですが、脇の保湿まで意識している人は意外と多くいません。入浴後は、脇を優しくタオルドライし、顔用やボディ用の保湿クリームや美容液を使って、乾燥を防ぎましょう。ヒアルロン酸やセラミドなど、保水力の高い成分が配合されたアイテムで、肌の潤いを保ち、ハリを与えることで、シワの予防になります。

脇のムダ毛の自己処理の方法を見直す

カミソリや毛抜きを使った脇のムダ毛処理は、皮膚に微細なダメージを与え、炎症や色素沈着、シミ、シワの原因になります。
比較的、肌に優しい電動シェーバーで自己処理する方法もありますが、自己処理は回数を減らしても肌に負担を掛けてしまいます。皮膚の炎症や黒ずみ、色素沈着が発生しないように、クリニックで医療脱毛を受けることをおすすめします。

脇の下の摩擦・刺激を減らす工夫を

摩擦はシワ・黒ずみの原因になります。衣類や下着が脇を締め付けすぎたり、リュックの肩紐が当たったりすることで、脇の皮膚はダメージを受けています。やわらかい素材のインナーを選んだり、脇が擦れにくいゆったりした通気性の良い服装を選ぶことで、脇の皮膚の摩擦を防ぐことができます。

ピーリングで脇の古い角質を除去

古い角質が蓄積すると、皮膚がゴワゴワして見え、シワが目立ちやすくなります。週に1回ほどの頻度で、刺激の少ないジェルタイプのピーリングがお勧めです。ピーリングで肌のターンオーバーを促し、黒ずみや色素沈着、シミを解消して、肌のハリや脇の下の改善につながる可能性があります。

マッサージで脇の血行を促進

脇の下を掴んで腕を回したり、指で円を描くようなマッサージで、リンパの流れを改善することで、血行促進やむくみ解消、皮膚のターンオーバーが促されます。入浴後など体が温まっているときに、保湿クリームを塗りながらマッサージするのがおすすめです。
強いマッサージは、肌を傷つけたり、シワを悪化させる原因になるので注意が必要です。

食事・睡眠・ホルモンバランスも大切

肌の調子は、食生活や睡眠の質、ホルモンのバランスとも密接に関係しています。ビタミンCやE、良質なたんぱく質、鉄分などを意識して摂り、肌の再生を助けましょう。睡眠時間が短いとターンオーバーが乱れて、肌トラブルを起こしやすくなります。
ストレスや過労もホルモンバランスを乱すため、日々の生活のリズムを整えることも脇のシワ対策には重要です。

適切なサイズの下着を選んで脇のハミ肉を防ぐ

脇のシワやハミ肉を防ぐには「正しいブラジャー選び」が大切です。サイズが合っていないとバストが脇に流れてしまい、ハミ肉やシワができやすくなります。トップとアンダーをきちんと測り、試着でフィット感を確かめましょう。脇高デザインや背中まで支えるタイプを選ぶと、横流れを防げます。 また、カップに脇や背中のお肉をしっかり収め、ストラップやバンドの締め具合を調整することもポイントです。生理前後でサイズが変わりやすいので、その時々に合ったブラを使い分けるのも効果的です。さらに、長時間の締め付けや摩擦を避けるため、帰宅後は早めに着替えたり、肌に優しい素材を選ぶようにしましょう。

脇まわりの筋トレ・ストレッチで姿勢を改善

脇のシワやハミ肉は、姿勢の崩れや筋肉バランスの乱れが大きな原因になります。猫背や巻き肩になると脇の皮膚がたわみやすく、シワができやすくなります。
背中や二の腕、肩甲骨周りを鍛える「背中や脇周りの筋肉を使う運動」と「胸や背中を伸ばすストレッチ」がお勧めです。壁に体をつけて腕をスライドさせるウォールエンジェルや、肩甲骨を前後に動かすエクササイズは、自宅で簡単にできる方法です。ドアの縁やテーブルを使った胸や背中のストレッチで、脇周りを伸ばしてあげると脇のたるみやハミ肉、シワ予防につながります。

続けることが一番の脇のシワ・たるみ対策

脇のシワやたるみ、ハミ肉は一晩でなくなるものではありません。毎日の積み重ねが改善への変化につながります。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

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