脇の黒ずみはどうしたら取れる? 4つの正しい治療法を医師が解説

気候が暑くなってくると、薄着で体の露出も多くなり、腕を上げた時に気になるのが両脇(ワキ)です。普段から脱毛などのお手入れをしていても、黒ずんだり、ブツブツができたりして、人目に付くのが恥ずかしいという女性も多いのではないでしょうか。当院でも20〜40代の女性を中心に、脇の黒ずみが気になると受診される方が多くいらっしゃいます。
なぜ脇は黒ずむのでしょうか? また黒ずんだ場合には、どのようにお手入れするのが正解なのでしょうか。脇が黒ずむ原因とその治療法について、皮膚科専門医が詳しく解説します。

脇が黒ずみやすい人とは?

これまで多くの患者さまを診察してきた経験から、脇の黒ずみは出やすい方とそうでない方がいることが分かりました。判断のポイントとなるのが、「体質」と「行動」です。

どのような「体質」の方がなりやすいかというと、普段から皮膚が弱い方、肌荒れしやすい方、アレルギー体質の方などが挙げられます。脇は皮膚がこすれることで、もともと色素沈着が起こりやすい部位になりますが、これらの方々はより炎症による色素沈着を起こしやすいと言えます。また、夏場に制汗剤を使うことで、肌荒れや毛穴詰まりを起こして黒ずむことも。
同様に、肥満体質の方も常に皮膚がこすれてしまう状態のため、脇が黒ずみやすくなります。

脇の黒ずみを誘発する「行動」には、ムダ毛の自己処理が挙げられます。
カミソリで脇のムダ毛を除去する際に肌を傷めてしまい色素沈着を起こす場合と、毛抜きなどで自己処理した後にできる埋没毛が原因の場合があります。
脇の黒ずみ予防の観点からも、脇毛の自己処理は避けたほうが良いでしょう。皮膚の炎症や埋没毛が発生しないように、クリニックで脱毛施術を受けることをおすすめします。

脇の黒ずみの種類

脇の黒ずみにはいくつか種類があります。

〈毛穴のブツブツが目立つケース〉

脇毛の自己処理による毛穴の傷や埋没毛、毛根部分の剃り残し、あるいは制汗剤による毛穴詰まりなどが原因で、毛穴周辺が黒く目立ってしまい、遠くから見るとうっすらと黒ずんでいるようなケースです。

〈脇全体が黒ずんでいるケース〉

摩擦などが原因で皮膚に炎症が起こり、その後色素が沈着してしまったケースです。お顔のシミと同様に、このような場合には自己処理で黒ずみを取るのは難しいと言えます。

〈脇の黒ずみと共に、赤みを帯びているケース〉

色素沈着している肌に、一部炎症を併発しているケースです。こちらは、まず皮膚科で炎症を治療することが最優先となります。

危険!やってはいけない脇の黒ずみケア

インターネット上で検索すると、脇の黒ずみをとる方法としてさまざまなセルフケア方法が散見されます。そのなかには医師として「やってはいけない」と見過ごすことのできない方法もあり、注意が必要です。

例えば、脇に重曹を塗って発泡させるケア方法がありますが、これによって黒ずみが取れるという科学的根拠はありません。
重曹は弱アルカリ性で油分を分解する働きがあり、肌に直接塗布すると皮脂を取り過ぎてしまい、肌荒れや乾燥の原因になることがあります。肌が弱い方や乾燥肌の方は、むしろ炎症や色素沈着が促されて症状が悪化する可能性が高く、絶対に行わないようにしましょう。

また、ニベアなどのワセリンやクリームを使う方法も見受けられます。これらには重曹のようなリスクはないものの、皮膚内部に沈着した色素を分解する作用はないため、黒ずみを取る効果はありません。
ただし、皮膚の滑りをよくして黒ずみの原因となる脇の擦れを予防する、あるいは乾燥した肌を保湿するという効果は期待できるでしょう。
当院では、トラネキサム酸を配合したボディ用の美白パックと美白クリームをご用意しています。こちらは鎮静効果と美白効果が期待できる医薬部外品ですので、脇の黒ずみに対するホームケアとしてご使用いただけます。

本当にホームケアで脇の黒ずみは簡単にケアできるのか?

自己処理によるカミソリでの脱毛や制汗スプレーで肌荒れしている場合、脇が毛穴の点々が目立ち、うっすらと黒ずんで見えるケースがあります。このケースは脇を丁寧に洗い、自己処理よるカミソリでの脱毛方法を変えて、脇を保湿するだけでも黒ずみが改善する可能性があります。

しかし、色素沈着で脇全体が黒ずんでいる、炎症も併発している場合は、皮膚内部でメラニンが大量に生成されて、沈着してしまっている状態です。そのため、セルフケア(ホームケア)で脇の黒ずみをとることは難しいと言えます。また色素の沈着が定着してしまうと、自力で黒ずみを取ることはほぼ不可能です。

脇の黒ずみをなくしたいのであれば、美容クリニックの治療を受けることをおすすめします。
保険診療の皮膚科では主にビタミンCを処方しますが、お顔のシミと同じく根本的解決に至る可能性は低く、「脇の黒ずみを取りたい」と効果を求める方には、レーザー治療を中心とした治療をおすすめします。
但し脇の皮膚はデリケートなため、お顔以上に慎重な治療が必要です。強いレーザーによる除去方法では、炎症が発端のシミ(炎症後色素沈着)のリスクが高まり、かえって逆効果となる可能性があるため、レーザートーニングやピーリング、イオン導入などを組み合わせて丁寧に治療する必要があります。また個人差はありますが、重症の人は5~20回の治療、最低3~5ヶ月の通院を必要です。

銀座よしえクリニックの脇の黒ずみ治療4選

当院では、脇の黒ずみに対して主に4種類の治療を提供しています。単体で治療を行う場合もありますが、色素沈着などの進行具合を診て、いくつかの治療を組み合わせる複合療法も行っています。
皮膚のターンオーバーに合わせて、徐々に黒ずみをなくしていくため、1回の治療ではなく複数回の治療が必要となります。

レーザートーニング

QスイッチYAGレーザーまたはピコレーザーを使用して、肌内部に沈着したメラニン色素を分解し、皮膚の新陳代謝によって排出させることで、黒ずみを薄くして美白していきます。
2種類のレーザー機器は、それぞれ異なる深度の色素をターゲットにしているため、皮膚の浅い層〜深い層まで照射することができます。

ハイドロキノン

メラニン色素の生成を阻害して、色素の排出を促進するハイドロキノンを使用する治療です。ビタミンCの数10倍の美白効果が期待できますが、高い濃度で使用すると肌に刺激を与えるため、肌の状態をしっかり見ながら使用します。

ピーリング

黒ずんだ肌の新陳代謝を促して、古い角質をはがす治療です。当院では肌に優しいフルーツ酸(グリコール酸)を使用しているため、腫れや皮むけなどのリスクがほとんどありません。

イオン導入

美白効果のある有効成分ビタミンCやトラネキサム酸を、皮膚に塗布するより約30倍も多く・深く浸透させる治療です。

脇は皮膚が薄くデリケートな部位であるため、レーザー治療による火傷のリスクや薬の反応が高くなります。そのため当院では丁寧で無理のない治療を行っています。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら